ヤセ地と肥沃地

 園芸、農業で土壌を表現するとき、ヤセ地に自生する・・・という表現をする。
 地球上の土壌は変化に富んでいる。
 この変化は、地殻、岩盤の風化、火山活動などと共に、 
 植物の死骸、枯れ落ち葉によって行われたものである。
 ヤセ地、肥沃地の違いは、植物の枯れ葉、死骸の量、材木腐朽菌などの微生物の分解速度
 などによって起こるが、地形的に河川の洪水などによって流失、堆積などによるものある。 
 更に、火山活動よって不毛の地となり、植物が生育出来ない極貧のヤセ地になることもある。
 極北の大地、高山では、低温のために材木腐朽菌の活動が抑えられ、
 枯れ葉、死骸を分解されないまま堆積し、ヤセ地を形成する。
 雨の少ないエリアでは、植物の生育が抑制されることにより、
 枯れ葉、死骸永年にわたり少ないためにヤセ地になっている場合もある。
 熱帯雨林の林床のように材木腐朽菌の分解が激しいためヤセ地になっている場合もある。
 材木腐朽菌による植物の枯れ葉、死骸の分解、温度、湿度などにより、
 ヤセ地、肥沃地が出来上がる。
 植物は、それに適応できる種が生息することになる。

 ラン科植物は全世界に26000種ほど自生していると言われる。
 ランの進化は多様である。
 ランの生息する場所はヤセ地、肥沃地どころか、ヤセ地を越えて樹上、
 蟻塚、岩の上、岩の裂け目、樹皮の裂け目・・・まである。
 一般の植物が生息不可能な場所である。
 なぜ、こういうところで生息可能なのか。
 なぜ、こういう場所で生きるようになったのか。
 
 しかし、この極貧の地でしたたかに生きられるランでも、
 絶対に生きられないところがある。
 完全な砂漠。
 新しい火山お火山弾、火山灰が堆積したところ。
 それから・・・私達の温室、鉢。
 このように書くと不思議に思う人もいるかもしれないが、
 現在の日本のラン栽培温室で、鉢で、ランの種子を蒔いて発芽するところは皆無といっていい。
 ということは、そこにランはありえないということである。
 他所から株を、鉢を持ち込んだに過ぎない。
 ランが発芽できないコンポストで植える。
 こういうことは、ほとんど他の植物では考えられない栽培法である。
 これを不思議に思わないラン栽培というのは、異常中の異常であろう。
 ここに、現在のラン栽培の最大の問題点がある。

 ラン菌削除のラン栽培。
 そこには、自生地に見られる貧しくとも必ずある枯れ落ち葉の炭素循環がない。
 それを当たり前としてきたラン栽培法。
 今日も、ランは泣いている。

 ラン科植物には分類学上では26000以上あるとされる。
 しかし、この分類とは別に、エリアの分類をすると、炭素循環とランの関係が見えてくる。
 どこに多くのランが自生しているか?
 アジアのモンスーン気候下の熱帯雨林、ヒマラヤの南側。
 中南米の熱帯雨林。その周辺。
 なぜ、この地に多くのラン科植物が誕生し、生命を維持継続させてきたのか。
 植物死骸、枯れ落ち葉のセルロース、リグニンと多量に降るスコールの尿素である。
 この場所には、スコールの尿素を窒素源として、セルロース、リグニンを求めて、
 多くの微生物が生息している。
 樹上にもこの微生物の世界が形成されている。
 1本の樹は、多くの生命の棲むエリアになっている。
 多くの微生物、コケ、地衣類、植物。
 これらは皆、植物死骸、枯れ落ち葉のセルロース、リグニンの争奪戦を行っている。
 貧しい樹の上で、これを行っているから、着生している植物は、
 ほとんど貧しい栄養のピートモスなどで栽培出来る。
 アナナス類、サトイモ科植物、クジャクシャボテン・・・ネペンティス・・・。

 現在ピートモスで栽培されている植物には、この貧炭素循環養分という共通点を持つ。
 熱帯の樹上と寒帯のタイガー、ツンドラ地帯は、
 炭素循環が貧しいという点では、共通している。
 材木腐朽菌がいなければ生きられない植物達である。

 
 

 SUGOI-ne。
 ラン菌による炭素循環ラン栽培法は、ラン自生地を再現するラン栽培法である。
 だから、着生ランも、地生ランも素晴らしい生育をする。
 腐生ランもあるいは栽培可能かもしれない。
 SUGOI-neは枯れ落ち葉を進化させたペレットで製造している。
 そこには、自然界と同じ炭素循環が構築されているからである。

 
HOME
BACK

kouza 1ad